2007年5月14日月曜日

【 輝く風】偶然? いや必然かも。



キヘイの海岸にいくつか残っている
木造のライフガード小屋。
最近はどこのビーチでも金属製や樹脂製の小屋がほとんどなので、
この、いい具合にヤレていてペンキを何度も塗り重ねた、
素朴で絵になる小屋は珍しい。

早朝、マケナへ向かう途中にこの辺りをドライブしていた時、
東側のハレアカラの稜線から朝日が顔を出し、
右手の海岸線を照らし始めた。

こんな時のドライブが大好きだ。
FMから流れる明るい曲想のハワイアンソングに乗せて、
ハイテンションで早口な調子のDJが、
これから始まる1日をとてもハッピーな気分にしてくれる。

自然に顔面がほころび、鼻歌まじりで運転していると、
白と黄色に塗り分けられたそのライフガード小屋に
木漏れ日が差してきらきらと揺れているのを見つけた。

「なんてキレイなんだ!」・・・。
咄嗟に停まろうとしてミラーに目をやると
そこに写っていたのは、
荷台にロングの板と2人のロコボーイを乗せた
赤錆だらけのピックアップトラックで、
車間距離が結構つまっていた。

僕はクルマを路肩側に徐々に寄せながらアクセルを緩め、
左腕を窓の外に出して「先に行ってョ Go! Go! Go!」みたいなサイン
(どんなサインやねん)をすると、トラックはエンジンを一瞬咳き込ませ、
かろうじて3気筒だけが回っている様な不規則でだらしのない排気音を
破れたマフラーから吐き出して追い越して行った。
乗ってる奴ら全員で、真っ黒な手のシャカサインを返しながら。

「みんなハッピーなんだナー」なんて思いながら Uターンし、
さっき偶然に見つけたその場所に戻って撮影を開始。

陽が当たり始めた直後の小屋・周りの緑・その先のビーチ・空・風・・・。
偶然にしては、ちょっと出来過ぎだ。
全てが完璧と言えるほど美しい。美しすぎる。

ハワイの島々は、とてもさりげなく、そして頻繁に
こんなシーンを見せてくれる・・・けれどもそれに気付かない人が多い。
だから、たまたまそこに居合わすことができるかできないかは、
偶然ではなく、僕にとっては必然なんだとこの頃思ったりもしている。

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