2007年3月29日木曜日

【輝く風】フラ・ヘイアウ

前回の約束どうり、癒されたい人のために
こんなエピソードはどう?
・・・・・・・・・・・・・・・

カウアイ島の北側、幾つものワンレーンブリッジと
ナロウなワインディングロードを走破し、
行き止まりまで走ると、そこに
独特の美しさを秘めた「ケ・エ・ビーチ」がある。
でも、リゾート気分で行くのはやめた方がいい。


このビーチの奥には「カウラ・パオア」と「カウラ・オ・ラカ」という
2つのヘイアウがあり、周囲に神聖なマカニ(風)が吹いている。
そこはフラを踊る者の聖地として、許された者だけが
立ち入る事のできる場所で、通称「フラ・ヘイアウ」とも呼ばれている。

その時は、それと知らずに霧雨が降る中、
妻と息子をビーチに残し、僕は一人で椰子のジャングルを抜け、
手前側に位置するカウラ・パオア・ヘイアウに踏み入ってしまった。

そこは草が低く生えているだけの、ただの野原だった。
周りに密集している椰子の木の隙間からは海を望むことができる。
風がなく、明らかに重くて濃い空気が充満している。
そして、不思議なのは、ここを撮りたいと思っていたのに、
その事をすっかり忘れて、ただ呆然と立ち尽し、
厳粛なまでの辺りの重圧感に打ちのめされ、その挙げ句、
見えない誰かがじーっと僕を見つめているような「恐怖」を味わい、
いたたまれずにフラフラと・・・駄洒落ではなくマジで・・・
逃げるようにビーチに戻ったのだった。

そんな訳で、ヘイアウの中は撮れなかった。
仕方なく、
その周囲を鬱蒼ととり巻く椰子の森を撮影することにした。
なッなんとその時、雨を降らせていた雲間から
太陽が急に現れて、緑の葉にキラキラと輝きを与えてくれるという、
偶然とは思えない現象が起きたのだ。

「どうだ、凄いだろう!」と、僕を脅かした
目に見えない奴(神か?)は笑っていたに違いない。

だから、決してリゾート気分では行かない方がいいと思うんだ。

・・・どう? 癒された?

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