
昼だというのに、上空には低く雲が垂れ込め、
暗く重く沈んだ空気が、海からこちらに滔々と流れていた。
雨はビルも道路もクルマも濡らし、
色と言えばブレーキランプの赤い光とウィンカーの黄色の点滅だけ。
ここは「ハワイ」だと言うのに、ひとたび太陽が隠れてしまうと
ファインダーから覗いた世界は、どうしてこんなに悲愴感が漂ってしまうのか。
しかし、こんな天候でも全然気分は落ち込まない。
それはここが「ハワイ」だから・・・か?
遠く水平線に目をやると、斜めに降る雨のカーテンが明るくなり始め、
海と空の境界線に雲間から陽の光が射し込んで、
眩しいほどの輝きを放っていた。
だから、やっぱり落ち込む事なんかないんだよ。
太陽はいつだってすぐ近くで「ここはハワイだぞー!」って
自分のパワーを誇示してくれるんだから。
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