2007年5月5日土曜日

【輝く風】A deserted house in Lahaina


ラハイナの海沿いの通りに面した外れで、廃屋を見つけた。
1964年にアニマルズが歌って大ヒットした「朝日のあたる家」の
もの悲しいフレーズ、"♪There is a house in New Orleans〜"を思い出した。

しっかり海が見える一等地なのに、ポツンと取り残された1軒の家。
寂しそうな佇まいが、周囲の空気に全然つり合わない。
僕が撮る、LINO MAKANIというテーマにもそぐわない。

しかし、これもハワイの現実の一部分なのだろう。
チャイニーズやジャパニーズはもちろん、ネイティブハワイアンまでもが
マイノリティとして居心地の悪い思いをする街、ラハイナ。

うわべだけを見ている日本人観光客には分かり得ない、
深い根っこの部分にある人種的な軋轢、そして葛藤。
アメリカ人達が闊歩する日向の反対側で、
未だに暗い歴史を引きずりながら日陰を歩く
彼等の苦悩の色が漂っている街なのだ。

でも、卑屈になってばかりはいられない。
ハワイの中では特有のラハイナという街の保守的な空気も、
アメリカ本土の田舎町に行けばごくごく当たり前で普通な事だし、
それを感じるか感じないかは自分次第。
そんな事を気にしていたら、いつまでたっても過去は消えない。
少なくとも俺は躊躇せずにこの街に溶け込んでいってやる。

そんなことを思いながら、この写真をもう一度見直してみた。
う〜ん、なにもそんなに重く考えることなんかないよ。
きっとこの家の住人だって
もっと快適で大きな家に引っ越したんだろ。
そうさ、そうに決まってる・・・。

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