突如、水平線から眩しく輝くオレンジ色が現われたかと思うと、
その輝きはぐんぐん強力になり、
やがてすぐ上に垂れ込めた雲の向こうに消えて行った。
すると、帯状に広がっていた小さな雲の群れが
グリーンやオレンジやピンクに染まりはじめた。
その雲の色が水面では縦に重なり合って揺れている。
なんという光景を今僕は目の当たりにしているのだろう。
生まれて初めて見る、とてつもない美しさに息を飲む。
体も心も震えている。強烈な感動、というよりむしろ驚嘆。
ハレアカラの山頂で見た日の出の印象が薄れてしまう程のインパクト。
クリスチャンでもないのに、神でなければ為し得ない業だと本気で思う。
カメラに収めた写真の中から3点を選んでここに載せたが、
その時の僕の感動の大きさは伝わっただろうか?
しかし、そこで僕が味わうことができた「爽やかな微風」や
「深い静寂」そして「朝露の清々しい香り」までも
感じ取って頂くことは、どんな写真や言葉をもってしても、
到底無理なことだと思う。残念だが。
その後、毎朝同じ時刻に撮影を試みたが、
結局あの壮大な光のスペクタクルは二度と見る事ができなかった。
たった一度のこの体験は、
今でも鮮明に脳裏に焼付いている。(この項終わり)
2007年3月21日水曜日
【輝く風】地球の美しさに絶句 II
足元はまだ暗い。
おまけに湿った芝生は滑りやすい上に不快な感触で、
歩く度にジュザッ・ジュザッと嫌な音を発する。
すると、それを聞いた近所の犬達が一斉に吠え始めた。
「やばい」と思ったが、
「オレは写真家だ!これはオレの使命だ!」と
内心ビクビクしながらも姿勢だけは堂々と歩き続けた。
そんな僕の態度が犬達に通じたのか、彼等の興味が薄れたのか、
徐々に静寂が戻ってきた。と、どこかで鶏がコケコッコーと鳴きだした。
当たり前だが日本の鶏と同じ鳴き方である。
100メートルどころか、その5倍も歩いたような疲労感を覚えながら、
庭の突端、つまり海の縁に到達し、水面を覗き込む。
まるで湖の様に静かで、風に揺れるさざ波が一面に明るみ始めた空を映していた。
厚い雲の部分は青暗く、抜けた部分はオレンジ色のグラデーション。
三脚にカメラをセットし、太陽が現われるのを待っていた。
しばらくすると、とうてい言葉では表現しきれないほど荘厳な
空と海のスペクタクルが目の前で始まった。( III に続く)
おまけに湿った芝生は滑りやすい上に不快な感触で、
歩く度にジュザッ・ジュザッと嫌な音を発する。
すると、それを聞いた近所の犬達が一斉に吠え始めた。
「やばい」と思ったが、
「オレは写真家だ!これはオレの使命だ!」と
内心ビクビクしながらも姿勢だけは堂々と歩き続けた。
そんな僕の態度が犬達に通じたのか、彼等の興味が薄れたのか、
徐々に静寂が戻ってきた。と、どこかで鶏がコケコッコーと鳴きだした。
当たり前だが日本の鶏と同じ鳴き方である。
100メートルどころか、その5倍も歩いたような疲労感を覚えながら、
庭の突端、つまり海の縁に到達し、水面を覗き込む。
まるで湖の様に静かで、風に揺れるさざ波が一面に明るみ始めた空を映していた。
厚い雲の部分は青暗く、抜けた部分はオレンジ色のグラデーション。
三脚にカメラをセットし、太陽が現われるのを待っていた。
しばらくすると、とうてい言葉では表現しきれないほど荘厳な
空と海のスペクタクルが目の前で始まった。( III に続く)
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