マウイ、カハナの夕暮れ時、
波の間に露出する岩をスローシャッターで撮影した。
肉眼では寂寞としていた辺りの光景が、
レンズを通すことでちょっぴりメランコリックなものへと変貌する。
遠い昔、家から自転車で15分程の海辺でいつも見とれていた
懐かしい景色が脳裏でオーバーラップする。
僕の「海」に対する原体験の中で、最も身近だった情景。
そう言えばこの、岩にへばり着いた真緑の藻、
ハワイというより、どこか日本的な気がする。
ところがである、いくら似ていても
三浦の長浜の奥のビーチや、伊豆下田の爪木崎などとは
決定的な違いがあるのであるのだー。
(偉そーかな?)・・・それは何か。
・・・何だと思う?
そうです。それは匂いです。
日本の海辺ってどうしてあんなに磯臭いんだろーか。
いつも不思議に思うのだが、
ハワイのどこの海岸に行っても、
あの独特の磯の香りは殆ど匂わない。
何故なんだろう。
そう感じるのは僕だけか?
で、このビーチも然り。
磯臭くない爽やかなマカニに肌を晒しながら、
ラナイ島の向こうに沈む夕陽をぼんやりと眺めていた。
えっ、写真家が夕陽を撮らずにぼんやりしてていいのかって?
いいんです。放っといてください。
実は夕陽そのものを撮る事に、僕はこのごろ飽きてしまったのだ。
夕陽って写真にすると、それこそベタでつまらないから。
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