去年の3月、ハワイ全島で記録的な長雨が続いていた最中に、
ボクはカウアイ→マウイ→オアフを撮って廻った。
カウアイ島のどこへ行っても晴れ間にすら出会えない状況で、
プロペラ機が Kapalua Airport に着くと、そこだけは
ウソの様にカラッと晴れ上がっていた。
ただ、遠くの空はどこを見ても暗雲が重く垂れ込めていて、
そういつまでも太陽はここに在てはくれないだろうと直感した。
午後のチェックインが待ちきれず、コンドのパーキングに車を停め、
カメラだけ掴んでアタフタと中庭を抜けビーチへ急いだ。
ファインダー越しの海はキラキラと水面を輝かせ、
穏やかで美しかったが、指はシャッターを押そうとはしなかった。
フッと振り向いた時、緑に輝く葉を扇のように広げて風に揺らしながら、
待ちわびた陽光を一心に受け止めようとしている旅人の木を見つけ、
その凛々しく健気な姿にボクの眼はクギ付けになっていた。
確かに風が輝いている。
「リノ・マカニだ!」と心の奥底で叫ぶ声が、
夢中で押し続けるシャッター音を掻き消していった。
〈ランキング参加中〉
本ブログの順位が確認できます。
2007年3月4日日曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿